たぶん百合のために

好きな百合作品の感想を綴っていきます

【キャラ考察】早川ハジメについて【トラとハチドリ】(ネタバレ注意)

以前も紹介した、今最も熱い百合漫画の1つ

「トラとハチドリ」(ヨドカワ)

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服やファッションのことを何も分からないまま、渋谷のファッション店で働くこととなった主人公の鬼頭マツリ。

そんなマツリに頭を悩ませつつも、彼女の教育係として成長を見守る早川ハジメ

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今回はこの早川ハジメについてスポットライトを当ててみたいと思います。

(ネタバレ要素を多く含むので未読の方は注意してください)

 

最初はマツリのことを良く思っていなかったハジメ。でも私情は仕事に挟まない!

 

 

主人公であるマツリもまっすぐで気持ちの良い性格をしており、誰もが惹かれるキャラではあると思うんですが、

私はどちらかというとハジメの方により強く惹かれました。

 

彼女、顔が良いのはもちろんなんですけど(笑)

何より仕事に対してとっても真面目で好感が持てるんですね。

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出会って早々、マツリに食ってかかるハジメ

自分の店の商品をバカにされたのです。怒って当然でしょう。

 

その後、オーナーからの勧誘もあり、同じ店で働くことになった2人。

副店長であるハジメはマツリの教育係を任されます。

 

正式に働くことになった初日の朝から2人は喧嘩ばかり。

しかし仕事モードになると一転。

新人のマツリに対し、ハジメは真剣に仕事を教えます。

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これがなかなか難しいんですよね。

皆さんも経験があると思います。

部活やバイト先で生意気な後輩が入った時。

あまり好意を持っていない人と一緒に過ごさなくてはいけない時。

 

つい、つっけんどんな対応をしたりしちゃいませんか?

もちろん仕事に私情は挟んではいけないのですが、どうしても態度に出てしまうのが人間ってものです。

しかしハジメはそんなことはしません。

仕事は仕事。

マツリの教育係として真摯に彼女と向き合います。

 

そしてそんなマツリの言葉だからこそ。

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マツリもやる気を出して仕事をします。

 

失敗して落ち込んだりしてしまうこともあるハジメですが、

このように仕事に真剣に取り組んでいるからこそ

25歳という若さで副店長というポジションを任されているのでしょうね。

 

 

 

次第に距離が縮まっていく2人。家に泊まりに行く仲に…

 

 

型にハマらないやり方ながらも、常に最善の方法を目指して突っ走るマツリ。

それを見てハジメも次第に彼女のことを認めていきます。

 

そんなある日のこと。

2人が働く「omne」はセールの準備で大忙し。

残業でいつもより帰るのが遅くなってしまい大変だと嘆くマツリに対し、

ハジメはある提案をします。

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えっ??????

お、お泊り??????????

 

劇中では物語が始まってから3ヵ月ほどでしょうか?

事情ありとはいえ、それでお泊りに誘うなんて…

早川ハジメさん。

嫌いどころか、明らかにマツリに対し好意を抱いています。

 

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しかしハジメは片づけのできない女。

部屋の汚さをマツリに指摘され、耳の痛い思いをすることに(笑)

好きな人をこの汚さの部屋には招待できないでしょうから、まだマツリに対して抱いてる感情は恋心ではないでしょうねw

 

ハジメがシャワーを浴びている間に部屋の掃除を始めるマツリ。

すると発見したのはたくさんのファッションや接客について書かれている本。

ハジメが勉強をし、真剣に仕事に向き合っていることを改めてマツリは知ります。

 

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仲の悪かった当初とは一変。

共にまっすぐで似た者同士の2人は、同僚としても気の置けない友人としても互いに惹かれあっていきます。

 

 

互いを想うからこその衝突

 

裏方仕事だけの時代を終え、ついに店頭で接客を任されるようになったマツリ。

持ち前の明るさと、相手のことを本当に思いやる接客でファンを次々と捕まえます。

そんな中、閉店間際にやってきた突然の来訪者。

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実は彼女は競合店のスタッフさんでした。

彼女の名は楠田さん。

何でも最近話題になっているomneの名物店員を一目見に来たとのことでした。

トラブルではなかったようでハジメも一安心…

したのもつかの間。

なんと楠田さんはこんな提案をマツリにします。

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「やだよ」と一蹴するマツリ。

マツリが申し出を断ったことに胸をなでおろすハジメですが、

それからも彼女の悩みはつきません。

なんと事あるごとにマツリが、先述のスタッフさんに会いに行っているというのです。

 

それからのハジメは心ここにあらず。

上司との会話中もマツリのことを考えてしまいます。

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ならばと仕事にこれまで以上に打ち込もうとしますが、

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マツリの口から「楠田さん」という名前が出るたびに動揺し、もやもやした心を押し殺す日々が続きます。

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しかしついにある日。

ハジメに対して思ってることをぶつけてしまいました。

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マツリから逃げるハジメ

しかし出先で偶然にも楠田さんとばったり遭遇してしまいます。

彼女の口からもマツリの名前が出て、しかも仕事のやり方も教えているようでした。

 

ハジメはマツリの元へ戻り、心情を吐露します。

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そのまま床へ倒れこんでしまうハジメ

どうやら仕事を詰め込み過ぎて、体調を崩してしてしまったようです。

マツリは彼女を家まで送り、看病するのでした。

 

家でゆっくり眠り落ち着いたハジメは、マツリに想いをぶつけます。

「わざわざ楠田さんに聞かなくても、仕事のことは私に聞いてくれればいいじゃないの」

それに対しマツリの答えは。

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そう。

マツリはomneが嫌いになった訳でも、ましてや楠田さんがいる店舗へ移ろうとしている訳でもありませんでした。

毎日忙しそうにしているハジメの助けになれるよう。

早く1人前になるために影で努力していたのです。

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何という素晴らしい関係性でしょう。

これを尊いと言わずして、何を尊いというのか。

読んでいてニヤニヤがずっと止まりませんでした。

 

このエピソードからもハジメがどれだけマツリのことを想っているかが分かります。

彼女のマツリに対する感情はもはやただの部下に対する感情ではありません。

独占欲、嫉妬…。

間違いなくLOVEに限りなく近い何かを抱いていることは間違いないでしょう。

 

そしてそれはマツリの方も同じこと。

自分の時間を犠牲にしてでもハジメの役に立ちたい。助けたい。

これも単なる上司に対する感情とは思えません。

(劇中で一度も「仕事のため」「店のため」とは言っていないのも注目!)

 

ここで改めて現在刊行中の表紙を並べてみましょう。

巻を追うごとに2人の距離がぐっと近づいていることが分かります。

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これからの2人がどんな関係へと至るのか。

共に素直じゃない2人なのでまだまだ時間がかかりそうですが…w

要注目ですね。

それではまた。