たぶん百合のために

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【百合漫画紹介】不条理なあたし達(竹宮ジン)

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前回紹介した「ラブフリッカー」とは一転、

今度は竹宮ジン先生の最新巻「不条理なあたし達」の2巻をご紹介したいと思います。

ここでは1巻の内容にも少し触れながら、2巻の感想について述べますね。

なのでまだ1巻を読んだことないよ~という人には、核心部分に触れてしまう可能性がありますのでご注意ください。

 

山中さんと種田さん 一筋も二筋でもいかない彼女たち

 

1巻では主に山中さんの視点から彼女がどんな恋愛観を持っているか。

現在、どんな恋愛をしているのか。

そして入社早々に頭角を現し、同性愛者ということを知りつつカマをかけてきた後輩・種田さんとどういった関係になっていくかが深く描かれました。

 

山中さんはバリバリのキャリアウーマンです。(いわゆるバリキャリ)

難しい案件も難なくこなし、社外の人間からも頼りにされている。

冷静に、ドライに物事を判断できる人間です。

 

そのドライな一面は仕事だけではありません。

恋愛面においても、決して相手に心を許すことはありませんでした。

 

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不条理なあたし達1巻63Pより引用

 

 

 

 

大学時代の過去の回想。

彼女にフラれ、落ち込んでいる友人(元カノ)と関係を持ち、

しかしその夜は泊まりもせずさっさと家に帰る。

理由は「明日は彼女とデートだから」。

 

「本命」が誰かについてはここでは明かされませんでしたが、

このように山中さんは昔から身体は求めるものの、

心の繋がりや愛情というものに頓着しない人でした。

プレイガールですねえ。

 

社会人になってからもそれは変わらず。

色々な人と関係は持っていましたが、決まった相手は作らず。

そんな中、現れたのは種田さんでした。

 

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不条理なあたし達1巻40Pより引用



 

仕事ができて周りからも一目置かれている山中さん。

そんな彼女に新人ながら堂々と渡り合う種田さん。

この不敵な後輩に山中さんは少しずつ興味を持っていくのでした。

 

山中さんに惹かれていく種田さん。1巻と2巻では受ける印象が異なるように見えて…?

 

まあ恋愛漫画、この表紙。メインは2人。

ということで予想は付くと思いますが、この2人はやがて付き合うこととなります。

 

1巻と2巻。

一気に読み直すと種田さんの変化がすごいですね。

冒頭では前述の画像のように底が見えない、強キャラ感溢れる女性のように見えますが、

季節が過ぎ、次第に山中さんに惹かれていくと入社当初ではなかったような一面をみせます。

 

山中さんに口説かれたようなことを言われびっくりしたような顔をする種田さん。

彼氏と会っていることを山中さんに見られ、それに対し興味なさそうな彼女に対し嫉妬する種田さん。

去っていく山中さんを愛おしそうに見つめる種田さん…。

 

最初は種田さんの方が山中さんを翻弄しているように見えましたが、いつの間にか山中さんの一挙手一投足に反応しちゃうようになってしまいます。

恋に落ちるって、こういうことですよね…(遠い目)

 

しかし変わったように見えて芯の部分は種田さんのままでした。

晴れて付き合うようになってからの物語である2巻。

種田さんの元カノ(!)が山中さんに一目ぼれしたと言ってきたシーン。

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不条理なあたし達2巻32Pより引用



臆することなく、堂々と答えます。

この鼻っ柱の、芯の強さが彼女の魅力であり、山中さんが惚れた面でもあると思います。

また他社からの引き抜きの話があったときも、(自身のキャリアアップのチャンスでもあるのに)自分の言葉でクライアントに断りを入れています。

 

相変わらず山中さんに振り回されることの多い彼女ですが、その強さと気高さは失わず、その心の強さを山中さんへの愛情へ全て注いでいるようにみえます。

 

 

変わることはない。そう思っていた山中さんを変えたもの。

 

運命の人。ロマンティック、ドラマティックな恋愛。ドキドキするようなラブロマンス。

そういったものにまるで興味がなく、無縁のものだと思っていた山中さん。

しかし「絶対」はないのだと種田さんが教えてくれました。

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不条理なあたし達2巻119、120Pより引用

物語も終盤にさしかかる第25話。

そこで山中さんに衝撃の事実が判明します。

いや、衝撃というほどではないかもしれないですけど、びっくりすることです。

2巻だけ読んでいても気づかないと思うので、1巻からまとめて読んで下さい。

 

種田さんを大事にするからこそ、自分を変えた。

山中さんの変化と愛情が感じられるはずです。

 

 

はい、ということで「不条理なあたし達」の感想でした。

この作品は2巻で完結。

もう少し続きを見たい気もしますが、綺麗な終わり方を迎えていたので読後感は最高でした。

 

竹宮ジン先生の作品の中でも屈指の面白さだと私は思います。

良かったら是非読んでみて下さい。